町づくりの思い胸に、企業のAI活用支援
LINEでの経験と資格、バックボーンに
がばいAIコンサルティング株式会社・本間謙斗さん
《取材 元西日本新聞社・日本新聞協会賞受賞記者 水山真人》
佐賀市を拠点にAIの企業研修を行う「がばいAIコンサルティング株式会社」代表取締役の本間謙斗さん(33)は、2019年からLINEヤフーコミュニケーションズ(福岡市)に勤務する中、AI事業の立ち上げに携わった。企業へのAI導入を推進するとともに、数々の資格を取得し、経験と知識の両輪でバックボーンをつくり上げてきた。北海道旭川市出身で、大学時代から町づくりへの思いを抱き続けていた本間さんは、AIを通じて企業と地方都市を元気にしたいと、2024年に脱サラ。現在は、妻の実家がある佐賀市と旭川市の2拠点を軸に、全国の企業の活性化に向けて飛び回っている。
🎤 第14回「解決市場」 特別インタビュー
3つの強み
AIに関する私の強みは、大きく分けて3つあります。
1つ目は、前職のLINEヤフーコミュニケーションズで、AI事業の立ち上げフェーズから深く関わったことです。当時はまだ、お客様から見るとAIの必要性が今ほど感じられない時代でした。そこで「なぜ今、企業にAIが必要なのか」というストーリーの組み立てのため、ニーズを徹底的に分析。お客様が本当に必要とするAIプロダクトを企画し、届けるプロセスを経験しました。そうして、文字読み取りや議事録作成のAIプロダクトが世の中に送り出されていきました。
その際、ローカルからグローバル、大手から中小企業まで、多種多様な現場の声に耳を傾けました。お客様の課題を掘り下げる営業マネージャーや、導入後の活用を支援するカスタマーサクセスも経験し、積み上げた現場の事例は150件以上にのぼります。
2つ目は、資格を通じて体系的な知識を身につけてきたことです。学生時代から資格取得を続け、現在は54の資格を保有しています。AI分野では、最新情報や法的なルール、特に企業が生成AIを導入する際のリスク事例などを把握するために役立っています。例えば、ITやDX、ロボットを使って、企業の課題をどのように解決できるか俯瞰的に見るための資格などを持っています。
私はこれまで常に「市場で求められるスキルは何か」を注視してきました。そして、米国のスタートアップ投資額でヘルスケア、宇宙、そしてAIが急成長しているのを見て、「必ず日本にもこの波が来る」と確信し、いち早くAI関連の資格取得に動きました。資格を生かして始めた副業のAI研修講師の実績が3つ目の強みです。年間50〜60本ほどの講演依頼をいただき、現場のリアルなニーズを蓄積していきました。
この「事業立ち上げの経験」「体系的な知識」「講師としての実績」の3つが、私が「AIとビジネスを橋渡しする専門家」と言える最大の強みです。
「地方都市を元気に」が原点
福岡市のLINEヤフーコミュニケーションズに入るきっかけとなったのは、高島市長の取り組みを本で読み、都市ブランディングが素晴らしいと感動したことです。当時、福岡はエリアとして勢いがあり、LINEヤフーコミュニケーションズも立ち上がったばかり。「働きながら企業の活性化と町づくりの事例を学べる絶好の環境だ」と考え、2019年に転職。Webマーケティングの仕事に携わりながら、福岡で様々な町づくり団体に顔を出す生活をスタートさせました。
実は、大学時代から「町づくり」に関わりたいという思いがありました。新卒で株式会社リクルートに就職したのは、「人に関わる仕事がしたい」「学生に人気がある」という、ありふれた動機からでした。その一方で、就職と同時に国際公共政策大学院にも入学していました。しかし、仕事との両立は甘くなく、大学院はわずか1ヶ月で退学。それでも「地方都市を元気にする力をどうすれば身につけられるだろうか」という問いを、ずっと心の中に抱き続けていました。
私が町づくりに興味を持った原点は、中高生の頃に親戚の集まりで大人たちが政治の文句ばかり言っているのを目の当たりにしていたことです。「文句を言うくらいなら、自分でなんとかすればいいのに」と感じた私は、大学で議員インターンシップなどを経験しました。そこで、学生が社会人との共通言語を持つために資格取得を始めました。大学時代に漢検や宅建を取得したのを皮切りに、社会人になってからもWebマーケティングやLINE広告の認定資格など、毎年5つほどの資格を取り続けています。
年間200本の研修で稼ぐ企業づくりをサポート
会社員時代から多くの経営者とお話しする中で、「稼ぐ企業をつくることこそが、最も町づくりに直結する」と確信するようになりました。一過性のイベントではなく、地道に企業体力を強める支援がしたい。そう考えて、地方の中小企業でもニーズが急増していたAIで企業をサポートする会社を立ち上げました。
おかげさまで、研修は現在、年間200本の依頼をいただくほど好評です。私たちの研修の強みは、「90歳の祖母でもわかる言葉で、明日からすぐ使える」こと。多くの企業のニーズにマッチしていると評価され、関西最大級のAI・DX展示会「AI World 大阪2026」では特別講演を任されました。昨年は佐賀県のAI推進の人材育成講座も受託しました。研修は、AIだけでなく、プロジェクトマネジメントや営業力強化、マーケティングなど、ビジネス全般の研修に AI の要素を加えた内容も人気です。
AIの導入支援や採用コンサルティングも行っています。導入支援では、生成AI利用のガイドライン作成、業務削減目標の設定、AIチャットボットの構築支援などをサポートします。これまで5社からAI担当顧問を任されています。また、企業の悩みはAIだけでなく、SNSを用いたマーケティングや労務、採用など多岐にわたります。私たちはそれらの課題にも総合的に伴走していきます。例えば、求人の応募者の増加に向け、サイトの見直しなどコンサルティングもしています。
現在、私たちのお客様は佐賀よりも全国の企業が多くなっています。地方に拠点を置きながら全国で実績を作り、ブランディングを確立していく。「地方の企業でも、ここまでできる」という姿を、自分自身が体現して、地方企業に対する固定概念を壊していきたいです。
地方を支える企業を盛り立てていくこと。それこそが、私の目指す最も地道で、最も強い「町づくり」につながると信じています。
第14回「解決市場」基調講演
がばいAIコンサルティング本間謙斗氏登壇
2026年9月1日(火) 13:00~13:50
アクロス福岡7F「解決市場 総合受付」(福岡市中央区天神1丁目4-1)
AI・DXで変わる 企業経営のこれから ~業務効率化・人材育成・営業強化、企業の実践ステップ~
セミナー概要
① AI・DXで企業経営はどう変わるのか
AI・DXによって、業務効率化だけでなく、営業、人材育成、意思決定のあり方まで変化しています。これからの企業経営に必要な視点を、具体例を交えて解説します。
② 「チャットAI」から「AIエージェントの活用」へ
質問に答えるだけのチャットAIから、業務を理解し、自ら動くAIエージェントへ進化しています。企業での活用方法と、今後の可能性を紹介します。
③ AIエージェントによる「AI社員」の構築
営業、採用、教育、バックオフィスなど、さまざまな業務を担うAI社員を構築できます。実際の業務に組み込むための考え方と仕組みを解説します。
④ AI時代を勝ち抜く企業の実践ロードマップ
AI導入を成功させるには、ツール導入だけでなく、業務設計と組織づくりが重要です。自社で実践するための導入ステップと、明日から始められる具体策をお伝えします。
こんな方におすすめ
・AI・DXを経営や業務にどう活用すればよいか、具体的な進め方を知りたい経営者
・管理職の方 営業力強化や業務効率化、人材育成などにAIを活用し、生産性を向上させたい方
・AIエージェントや「AI社員」の活用方法を学び、自社のDXを実践したい方
・AIを活用した新しい採用手法や面接のDXに興味をお持ちの方