第14回「解決市場」特別登壇   宗裕一氏 インタビュー のファーストビュー

ぶんぶんチョッパー仕掛け人、AIへ
今度は業務回す支援
ケイ・アンド・エー社長・宗裕一さん

  
顧客対応9割自動化・シフト作成「2〜3時間→数分」を実現した実践力
累計200万個のヒット商品を育てた経験で、企業のAI業務改革を伴走支援する
有限会社 ケイ・アンド・エー社長 宗裕一氏インタビュー
《取材 元西日本新聞記者 水山真人》

「ぶんぶんチョッパー」 そう聞いて、すぐにあの便利なキッチンツールを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。容器についたひもを引っ張るだけで、数秒で野菜がみじん切りにできる優れモノだ。中国の展示会で原型を見つけた有限会社ケイ・アンド・エー(北九州市)の宗裕一社長(57)。自動車整備士やパソコン講師、営業など多彩な職業経験を生かし、改良とPRを続けて、世に広める大きな役を担った。
今回、宗さんが新たに乗り出したのは、AIによる業務効率化だ。少人数のパート従業員と会社を切り盛りしてきた宗さんは、自社でAIをどんどん活用。余裕をもって業務が回せるようになった経験を基に、顧客の企業でのAI導入をサポートしていく。

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広大な展示会場で「発掘」
2014年、広州で開かれる中国最大の展示会で、広大な会場を足を棒にして歩き回っていた私は、ある製品を目にして直感しました。「これはいける。絶対手放しちゃいかん」と。衣料品の輸入販売で起業後、国内外の展示会場を渡り歩き、売れそうな日用品を探し続けて約5年。ついに見つけた瞬間でした。

信頼つくり改良、PRへ
その製品は、ひもを引っ張って野菜をみじん切りにするコンセプト自体は実現していたものの、商品としてはまだ粗雑な状態でした。「このまま持っていけばクレームの嵐になる」という心配もありました。それでも、まずは年間1万個弱を輸入販売して実績を作り、工場との信頼関係づくりに動きました。そして、元自動車整備士としての感覚を生かし、部品の精度を0.1ミリ単位で調整させたり、内部まで衛生的に洗えるよう水抜き穴を設けたりと改良を重ねていったのです。さらに、考え抜いて名付けた「ぶんぶんチョッパー」という名称を守るため、裁判所にも掛け合い、1年半がかりで2015年に商標登録を認めてもらいました。PR面でも、SNSで毎日レシピを投稿し続けました。こうした地道な取り組みが実を結び、ついに販売3年目で目論見通り火が付いたのです。

大手が次々と追随
ぶんぶんチョッパーは、大手スーパーや生活雑貨ブランドなどがこぞって類似品を出すほどのヒット商品となり、今も年間10万個を売り上げ、累計200万個に届く定番商品へと成長しました。

多彩な職歴が結実
このように製品改良やSNS発信など多方面の業務をこなせた背景には、私自身の様々な職歴があります。私の社会人としての第一歩は自動車整備士でした。就職後まもなく「同じ時間を使うなら稼げる方がいい」と大型トラックドライバーに転職し、2年ほど関西や北陸を往復しました。その後、これからはパソコンの時代だと感じてワープロや表計算ソフトを独学で学び、時給3000〜4000円のパソコン講師になりました。しかし、別に始めた事業の失敗で800万円の負債を抱えてしまい、返済のため羽毛布団の営業マンに転身。当時は綿布団からの買い替えブームだったこともあり、「無理に売らない」誠実なスタイルを貫いて2年で借金を完済しました。その後、先輩の会社立ち上げに協力し、オフシーズン対策として準備していた衣料品や日用品の販売をきっかけに独立しました。

「効率」追求し続け新事業へ
「無駄なことはしたくない」「自分たちでできることは外注せず、自前でやる」 私はずっとそんな気持ちで会社を切り盛りしてきました。パソコン講師の経験を生かして在庫管理システムを自作し、経理もすべて自分で行ってきました。弊社のスタッフ6人は、ほとんどパートタイムで子育てと仕事の両立に忙しい主婦の方々です。そんなスタッフたちと共に活用し、今、とても喜ばれているのが、私が2年ほど前から学び、現場に導入してきたAIによる業務効率化です。

生まれた安心、余裕
特に効果が大きかったのが、カスタマーサービス(顧客対応)です。これまでの対応内容を整理したところ、お問い合わせの9割以上が定型文で対応できる内容であることが分かりました。さらに、10年分の顧客対応メールをAIに読み込ませ、難しい案件の対応を相談できる仕組みを作りました。これにより、経験の浅いスタッフでも過去の実績に基づいた適切な対応策を自分で考え、時間を取られず安心して対応できるようになりました。また、シフト作成でも大きな成果が出ています。会社のポータルサイトを作り、各自の勤務希望を入力しておくと、わずか数分でシフトが完成します。以前は担当者が2〜3時間かけて作っていた手間が大幅に削減されました。AIの登場によって、これまで外部に委託するかプログラミングを学ばなければできなかったようなことが、一気に実現できるようになったと感じています。

こうした小さな効率化の積み重ねにより、社内に時間と気持ちの余裕が生まれ、現場の業務が非常にスムーズに回るようになりました。このほかにも、ミスと時間のロスを減らすための業務マニュアルの動画化や、会計処理の入力業務などにもAIを活用できます。

業務に組み込むコツ
私にとってAIは、「とても賢い人に手伝いをしてもらう」ようなイメージです。答えを出しきれない場合でも、頭が良いので、上手に導いてあげれば素晴らしい仕事をしてくれます。業務の中にAIをポツンポツンと挟み込んでいくことで、業務がスムーズになり、スタッフが疲弊しない環境を少しずつ作ることができました。私は自社の経験を通じ、AIには業務を効率化し、作業時間を短縮する大きな力があると実感しています。そうして生まれた時間や心のゆとりを、お客様への対応や新しいアイデアの創出など、人にしかできない仕事へ向けることで、より質の高いサービスが生まれ、企業全体の活性化につながっていくと考えています。

そして、それを実現するために大切なのは、これまで築き上げてきた業務の形をできるだけ変えずに、その中から「AIに任せられる仕事」を見つけ、一つずつ任せていくことです。これからAIの活用を検討される企業様にとって、その第一歩のお役に立てれば幸いです。ご相談は無償にて承っております。お気軽にご連絡ください。
  

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第14回解決市場 ケイ・アンド・エー社長 宗裕一氏登壇

ぶんぶんチョッパーを売りながら考えたAI活用

2026年9月2日(水)15:30-16:20 
福岡市中央区天神 アクロス福岡西館7F

顧客対応の9割以上を定型化・シフト作成「2〜3時間→数分」を実現した実践力 
累計200万個のヒット商品を育てた経験で、企業のAI業務改革を伴走支援する 
有限会社 ケイ・アンド・エー社長 宗裕一氏登壇

2024年マザーセレクションを受賞し、累計出荷台数150万台を突破した「ぶんぶんチョッパー」。その販売業務に携わる中で、日々増え続ける業務を限られた時間で処理するため、業務効率の向上が大きな課題となりました。そこで、約2年前からAIの活用を開始。日々の業務に少しずつ取り入れながら、作業時間の短縮と業務の効率化を実現してきました。こうした実践を通じて得た経験をもとに、今年から企業のAI活用支援にも取り組んでいます。本講演では、「ぶんぶんチョッパー」の販売現場でAIをどのように活用し、業務の効率化や時間短縮につなげてきたのか、実際の経験を交えてご紹介します。