エンジニアの強み、AI実装支援で開花
ホリエモンAI学校マナビバ校、前田祐樹男さん
福岡移住で、チャンス到来
50社以上・200〜300名を支援、
月約100万円のコスト削減を実現
エンジニア経験を生かし、
企業のAI活用と自走を伴走支援
マナビバ代表・ホリエモンAI学校マナビバ校
前田祐樹男氏インタビュー
取材 | 元西日本新聞社 日本新聞協会賞受賞記者 水山真人
「組織の枠にとらわれず、自ら事業をやってみたい」 ソフトウェア開発会社でITエンジニアとして活躍していた前田祐樹男さん(40)は2019年、大手グループを飛び出した。ITスクールの会社を興し、その一環で
2024年、ホリエモンAI学校マナビバ校を開いた。当時は事業規模が小さかったこともあり、大都市圏を外した
消去法の選択。それでも、エンジニアとしての強みを生かして、顧客のAI実装に的確にアドバイスすることで、
着実に実績を重ねた。そうすると、ホリエモンこと堀江貴文さんも自らの出身地でのスクールにPRで協力してくれ、
事業は急拡大。もともとは「人との関わり」が苦手だったという前田さん。会社員時代に、チームでの仕事の魅力を
知り、独立後はITスキルと、人との関わりの2軸が人生を切り開くとの思いで、スクール事業を大きく育てつつある。
人嫌いからの脱却
新卒で就職するとき、「人と話したくない」という理由でITの組み込み系エンジニアになりました。新卒で入社したのは「NTTデータMSE」という会社です。パナソニックとNTTデータの双方の資本が入っており、優しい人たちばかりの職場環境でした。社内でOJTリーダーを任されたり、海外研修を経験したり、多くのチャレンジをさせてもらう中で、「人と関わり、チームで仕事を成し遂げることの面白さ」に、気づかされました。
最も心に残っているのは、スウェーデンのボルボ社向け車載カーナビの共同開発プロジェクトです。当時、まだ世の中にほとんど普及していなかった「OTA(Over The Air:遠隔ソフトウェアアップデート)」という先進的な機能を、私が前面に立って、現地に赴き、現地の技術者と仕様要件を詰めながら開発しました。数百人規模が関わる巨大なプロジェクトでしたが、新機能をボルボの車に無事搭載し、プロジェクトを成功に導いた充実感は忘れられません。
消去法が大正解に
会社員として10年間の歩みを経て、2019年に会社を飛び出してフリーランスとして独立しました。「自分の可能性はどこまであるのか」に挑戦してみたかったからです。2022年8月にオンラインスクールを運営する「マナビバ」を立ち上げました。
そして2024年、ホリエモンAI学校のゼロ期生募集が始まったとき、僕は「福岡校」としてフランチャイズ加盟に申請しました。ゼロ期生の募集には約100社もの応募があったそうですが、採用されたのはわずか2校でした。
当時、マナビバの年間売上は1000万円にも満たない規模で、この選択は弱小企業なりの「消去法」でした。東京や大阪といった大都市圏は、競合他社に勝てるわけがない。そうした消去法の結果、地方創生の視察で訪れて、食事の美味しさや温かい人柄に惹かれて「一番好きだ」と感じていた福岡に行きつきました。私は、大阪出身で同志社大学(京都)に通い、会社員時代は東京。縁もゆかりもない土地での挑戦でしたが、「人脈ありますよ」と大風呂敷を広げて、応募しました。
結果的にはこれが大正解でした。当初1年間は受注がありませんでしたが、AI実装の支援に重点を移す中で、着実に実績を重ねることができました。その成果が認められ、堀江さんのホリエモンチャンネル(YouTube)へ出演させてもらい、堀江さんが経営する福岡の「クロスFM」にも紹介してもらいました。その後、クロスFMで毎日の帯番組の開始など、ホリエモンAI学校の中でも、他校にはない、ブランディング効果が生まれ、事業は右肩上がりに急拡大していきました。
伴走支援で真価を発揮
受注なしからのブレイクスルーのきっかけは、本部と密にコミュニケーションをとる中で、「AI研修はあくまで社内のDX化、DXコンサルの一部でやっている。だから社内のDX化を手助けするものだ」との方針が明確になったことでした。そこから研修の営業ではなく、「業務の効率化を担えるAI人材や、実装の仕組みを整えます」というAI実装の伴走支援へと切り替えられました。
これによって、エンジニアという私の強みを発揮できるようになりました。AIが生成したプログラムが動かないとき、何がエラーの原因か、AIへのプロンプト(指示)をどう書き直せばいいのか、的確にアドバイスできます。また、お客様から「こんなものを作りたい」と言われた際、実務レベルで本当に可能なのか、技術的な難易度を見極めて再提案できること。これが、私たちの強みになりました。福岡校は、対面での伴走支援を打ち出していたこともあり、順調に伸びていきました。
ITスキルで目標達成
これまでの1年半で、すでに50社以上、200〜300名の方に伴走支援を提供してきました。
最も嬉しかった成果の一つが、北九州の小規模な飲食店での事例です。これまで外注に頼るしかなかったチラシやメニュー表の作成をAIを使って内製化することで、月に約100万円ものコスト削減ができました。ほかにも内製化によるコスト削減の事例は多く出ています。
私たちのスクールが重視しているのは、「受講生が自立して卒業していくこと」です。受講された企業様から、1年間のカリキュラム終了後に「AIが自分たちでしっかり使えるようになったので、追加の研修はもう大丈夫です」との話をいただいています。受講生が「独り立ちできた」という、前向きな成果と捉えています。
マナビバの年間売上は、7月末に締めた4期目では3000万円を突破するまでに成長しました。来期はさらに2倍となる6000万〜7000万円の売上規模を見込める位置にまで来ました。M&Aでの企業買収も経験し、次は、このマナビバを大きく育てた上で「売却」し、次の新たな事業で「IPO(新規上場)」を目指すことを思い描いています。
福岡校は、今後、マナビバ校へと名称を変更します。遠隔の企業も受講でき、伴走支援を受けられるようになります。私は、自身の経験から、新しいことにチャレンジする人の気持ちがよく分かっています。独立した時、様々なITスキルを身につけて、自分の目標達成ができたらいいなと強く思っていました。今は、多くの人がITスキルを身に着けるのを、分かりやすい指導でサポートしていきたいと思っています。
前田さんにお会いしてみませんか seminar information
第14回「解決市場」AI活用DX推進展 | 経営改革推進展
アクロス福岡西館 6.7F(福岡市中央区天神1-1-1)
2026年 9月1日㊋2日㊌ 10:00-17:00
ぜひご来場下さい。