AIをマーケティング、業務効率化に使う極意
~SEO対策のトップランナー瀧内賢さんが語る
「AIを理解し、基本に忠実に」
AEO・GEO・LLMOがこれ1冊でわかる
これからはじめるAIO AI最適化の教科書
AIで「論理的思考力」を鍛える本、累計17冊の著者
株式会社セブンアイズ 代表取締役 瀧内賢(たきうち・さとし) 氏
取材 元西日本新聞記者 水山真人
「世の中はAIの回答結果だけを見る時代になる」 福岡在住で、インターネットの検索上位に導くSEO(検索エンジン最適化)対策の第一人者、瀧内賢さんは、SEO対策を土台にAIの回答に採用されるテクニック「AIO(AI Optimization:AI最適化)対策」を提唱している。AIマーケティングの重要性を説き、AIに選ばれやすいWebサイトの構成などを伝授する。
また、業務効率化においても「AIの使い方に振り回されず、使いこなすことが大切」と強調。最適解を導くためのプロンプト(指示文)の極意は「AIの気持ちになり、出発点から丁寧に、的確な対話を続けること」とアドバイスする。その知見は長年、デジタルテクノロジーに関わってきた哲学的かつ技術的な洞察に基づいている。
🎤 第13回「解決市場」 登壇直前特別インタビュー
AIの存在意義は、知的活動の補助と、業務効率化
「インターネットのSEO対策の時から感じることですが、複雑そうなシステムにおいては、根底にシンプルな哲学が流れていると考えています。誰の何のためになどということです。AIにおいては、AIが何のために存在しているのか”という視点が重要です。AIは、一つは効率的な情報収集によって人の知的活動を補助するため、もう一つは業務効率性や生産性を高めて人が創造性ある仕事に集中できるために存在しています。効率的な情報収集のためには、AIが精度の高い情報を収集しやすくしておく必要があります。そのためには、ホームページなどの情報提供者が、AIが使いやすいように整理された情報を掲載しておく必要があります。それが、すなわちAIに選ばれる情報を提供するAIO対策であり、マーケティングにつながります」「したがって、AIOとはマーケティング領域におけるAI活用であり、AIに選ばれるための情報設計です。一方で、主に業務効率化・生産性向上の領域では、プロンプトがAIを自在に操るための実践技術と位置づけられます。この2本柱が統合されることで、企業や個人によるAI活用が真に効果を発揮するようになります。2コマにわたる本講演は、この2本柱をそれぞれテーマとしています」
AIO対策は、AIが使いやすい情報掲載
「AIO対策は、SEOを土台に、3つの最適化技術によって立体的に構成されます。具体的には、回答の情報に選ばれるためのAEO(Answer Engine Optimization:解答エンジン最適化)、引用源として表示されるためのGEO(Generative Engine Optimization:生成エンジン最適化)、AIモデルの更新時に学習対象として採用されるためのLLMO(Large Language Model Optimization:大規模言語モデル)の3つです。例えば、AEOは、よくある質問構造に合わせて、AIが利用しやすい整理された情報としてFAQ(よくある質問)を記載することなどを指します。それぞれの施策を丁寧に実行することで、AIの回答に採用される確率は格段に高まります」
プロンプトの極意は「的確に」
「プロンプトは、いわゆる『神業』のようなテクニックが数多く提唱されています。しかし、ChatGPTを運営するOpenAI社などは、高品質な回答を引き出すための基本原則や注意点をまとめた『プロンプトエンジニアリングガイド』を公開しています。そうした基本に忠実なことが最も重要です。AIは、指示を明確にすれば何とかなります。AIに対して、どのようなプロンプトが有効か聞いてみることも一つの手です。そもそもから見つめることが、プロンプトの精度を高め、最適解につながります。回答を導くフレームワークも聞いてみることもできます。プロンプトの極意は、単に適切であるだけでなく、いかに的確なプロンプトを用いることができるか、です。それはAIの仕組みを知り、いわば『AIの気持ち』になるということでもあります。例えば、生成AIはやり取りを重ねれば重ねるほど、古い内容を忘れる性質があります。それを踏まえ、指示の途中で、これまでの内容を要約、振り返るなどの工夫が重要になるのです」
ビジネスでのAI活用、第2フェーズに~目的を定めて対話を
「ビジネスにおいては、これからAI活用が第2フェーズに入ります。現在は特定のツールの使い方に注目が集まっていますが、AIが進化するたびにそれらの枝葉のテクニックは不要になります。結局のところ、AIを使う目的を明確に持ち、AIと正しく対話できる本質的な能力が求められる時代になるでしょう」
略歴:2008年にホームページ制作の株式会社セブンアイズ(本社・福岡市)を創業。趣味で始めた通販サイトの制作をきっかけに独自にSEO対策を追求し、近年はSNSによる集客支援や、AIによるDX支援まで手がける。著書はSEO対策や生成AIなど累計16作。最新刊は『これからはじめるAIO AI最適化の教科書 ~AEO・GEO・LLMOがこれ1冊でわかる (技術評論社)』。All About「AI・AIO・SEO」ガイドなど、講師としても幅広く活動する。