社会福祉士のハート、SNS集客に
U-AND社長・安東早哉香さん
地方創生目指し伴走支援、成果
総フォロワー13万人、月間1,000万閲覧超え。
SNSインフルエンサー | 店舗集客のプロ
株式会社U-AND 代表取締役社長
安東 早哉香(あんどう さやか)氏
取材 | 元西日本新聞社 日本新聞協会賞受賞記者 水山真人
「お店のにぎわいを支え、古里を消滅危機から救いたい」 そんな強い決意を胸に、社会福祉士からSNS集客支援の道へと転身した株式会社U-AND代表の安東早哉香さん(30)。遊びも忘れるほどの猛勉強の末、自らもフォロワー数13万人を誇るインフルエンサーとなり、SNS運用代行・集客導線設計の会社を立ち上げた。社会福祉士時代に培った「困っている多くの人を助けたい」というハートとガッツはそのままに、
お店の課題と目標に徹底して寄り添う伴走支援は、各地で着実に成果を上げている。
「消滅可能性都市」という衝撃
新卒で社会福祉法人に就職して4年目のことでした。私の古里である大分県豊後高田市が「消滅可能性都市」だというニュースに触れ、大きな衝撃を受けました。若い女性が減り、生まれる子どもが少なくなっていくことで、自治体そのものが消えてしまうというのです。確かに、就職で福岡に出てから帰省するたびに、地元で愛されてきたお店が次々と姿を消していくのを目の当たりにし、さみしい気持ちがありました。
「自分にできることは何かないか」。突き動かされるようにブログを始めましたが、長文を書くことに慣れず一度は挫折。それでも諦めきれず、SNSの講座に飛び込みました。運営者に「地方創生を仕事にしたい」と切り出すと、「スケールが大きすぎるから、まずは実績と信用を作った方がいい」と助言され、Instagramの発信に踏み出しました。
ありのままを受け止める「福祉の心」
私はもともと、親族に福祉関係者が多い家庭で育ちました。進路に迷っていた高校生の頃、父に勧められたのが社会福祉士の道です。助けを必要とする人の相談に乗り、支援へとつなぐ役割。児童福祉から終末期の緩和ケアまで、幅広く人の人生に携われる資格です。「多くの人の力になれる」と、全国トップの合格率を誇る大分大学へ進学しました。
在学中の病院実習は、私の原点です。摂食障害の患者さんの退院支援に向け、十数日間、毎日対話を重ねました。退院時、その方からいただいた「笑顔に救われました」という長文のお手紙は、今も忘れられません。この仕事の奥行きを、心から実感した瞬間でした。「やるからには全力で」と授業に食らいついてきたおかげで、どんなに過酷な境遇の方と向き合っても、動揺せずにいられました。一番大切なのは、相手をありのままに受け止めること。本人の意思を尊重し、選択肢を示して伴走する。この社会福祉士の基本は、今の仕事にも深く息づいています。
未知の分野、夢中で吸収
大学の社会福祉コースを首席で卒業し、福岡市の社会福祉法人に就職しましたが、配属先は利用者さんと直接向き合う「現場」ではなく、組織全体を支える「本部」。最初は会計・経理など、未経験の事務作業を必死に覚える毎日。その後も、400人以上の給与計算を一人でこなしながら、社会保険や労務、年末調整と業務が広がり、法律の勉強をしながら、大変さの連続でした。それでも「自分は間接的に福祉の現場を支えているんだ」と言い聞かせて踏ん張りました。この4年間で培われた「やったことがないからできない、ではなく、まずは全力でやってみる」というマインドが、今の私を支えています。
現場への異動希望を出し続け、5年目にしてようやく念願の就労支援の現場へ。就職を目指す障がい者の方との面談、履歴書を添削し、面接練習などを繰り返し、就職が決まって楽しそうに働いている姿を見届けたときは、やはり充実感がありました。
しかし、本部を離れる前に、消滅可能性都市の話に触れ、地方創生に気持ちが傾いていました。福岡の飲食店やデートスポットを紹介するInstagramの発信を開始。働きながら動画撮影、編集、Webマーケティングの勉強にのめり込みました。地方を活気づけるには、実店舗に足を運んでもらう「オフラインの集客」と、サービス・商品を購入してもらう「オンラインの仕組み」の両輪が必要です。どうすれば人の心を動かせるのか。足りないスキルを逆算し、習得に突っ走りました。有料講座や教材を買い込み、仕事と勉強で毎日14時間。遊びも忘れ、寝食以外の時間、夢中で取り組みました。
お店のSNSを「資産」として育てる
オンラインでの購買行動をより深く学ぶため、社会福祉法人を退職し、ECモール運営会社へ転職しました。まもなく、Instagramのフォロワー数は開始10か月で1万人に到達。飲食店から紹介依頼が舞い込むようになり、転職から1年で独立を果たしました。
ただ、インフルエンサーとしての投稿では、一時的に客足が増えても、やめた途端に元に戻ってしまう。広告と同じで、一過的なもの。資産性がないんです。
お店が目指しているのは、地域に愛され、長く続ける店づくりです。それなら、お店のアカウントで集客できる仕組みを作れば喜ばれるんじゃないか。そう思って昨年11月に始めたのが、今のサービス「店舗集客プロ」です。お店のSNSを育て、フォロワーを増やせば、一過性のPRと違って、将来も集客し続ける「資産」になる。その資産づくりをお手伝いすることが、お店が長く続くことにつながると考えています。
悩みに寄り添い、サイクルを作る
「店舗集客プロ」が目指すのは、新規客を獲得しながら常連さんを増やしていくサイクル作りです。Instagram、Googleマップ(MEO)、LINEを組み合わせた「3点セット」の導線設計を基本としています。Instagramで存在を知ってもらい、MEOで行動意欲の高い層に見つけてもらい、LINEでリピーターへつなげる構造です。
私たちは、依頼された業務をこなして終わりではありません。その施策が、お店の目指すゴール(来店・売上)までつながっているかを確認し、たどり着くまで伴走を続けます。そのために大切にしているのが、本質的なニーズを掘り下げて聞くこと。困っているのは「運用する担当者がいない」のか、「知識がない」のか、「運用する時間がない」のか。表面的な依頼の奥にある悩みまで見つめるようにしています。今のこうした取り組みにも、福祉の姿勢が生きているのかもしれません。
来店増加まで、二人三脚で挑む
「出会えてよかった」。そう言っていただける瞬間が、何よりのやりがいです。信頼関係を築き、実際の来店につながるまで改善提案を繰り返すのが私たちのスタイル。私自身がフォロワー数13万人を達成した実績と自信があるからこそ、改善が見られなければ全額返金する保証も設けています。リスクを少なく、安心してお試しいただけるようにしています。料金も「相場の3分の1」にこだわりました。お店の利益率を考えれば、高額すぎる代行費用は経営の重荷になってしまうからです。6か月間の伴走を経て、最終的にはお店側で自立して運用(内製化)できるよう支援しています。
成果は業種を問わず広がっています。今年3月にオープンしたオムライス専門店では、初月で800名の集客を達成。アサイーボウルカフェでは、支援1ヵ月目で1,000名超の来店を実現しました。ピラティススタジオでは、支援開始からわずか2週間でGoogleマップのエリア1位を獲得し、オープン2ヵ月目には月商400万円に到達。注文住宅でも、支援3ヵ月目に来店予約経由で1棟のご成約につながりました。
今後の目標は、まずは支援店舗を100店にまで増やすこと。現在は福岡が中心ですが、いつかは古里・豊後高田をはじめ、九州全域、そして全国で困っているお店の力になりたい。地域にお店の灯りがともり続けるよう、走っていきます。セミナーでは、SNS発信のポイントや集客の導線づくりを、事例を交えてお話しします。集客にお悩みの飲食、美容、サロン、レジャー店舗の皆様のご参加を、心よりお待ちしています。