AIで働き方、生き方の幅を広げる
連続起業家・池田朋弘さん語る
エージェントアプリが開く新局面
YouTube登録者数20万人超え
最新刊「Nano Banana 最強のAIアウトプット術」著者
株式会社Workstyle Evolution CEO 池田 朋弘氏
取材 元西日本新聞社 日本新聞協会賞受賞記者 水山真人
「エージェントアプリの登場で、働き方が劇的に変わり、人生の可能性が広がる」 連続起業家であり、生成AIに関する人気ユーチューバーとしても知られる池田朋弘さんは、単なる相談相手の「チャットアプリ」にとどまらず、人間に代わって業務を遂行できる「エージェントアプリ」の活用を推進している。池田さんは、クラウドソーシングやリモートワークを活用した新しい働き方をいち早くビジネスに取り入れ、成功を収めてきた。「働き方の進化」を通じて個人の幸せを追求してきた池田さんは、事前インタビューで「エージェントアプリの利用は、自転車から自動車に乗り換えるようなもの。
個人の仕事量は5倍にも10倍にも跳ね上がる」と強調した。
池田さんによると、エージェントAIアプリとは、外部ツールと連携しながら、作業を半自動化する仕組みを構築できる。例えば、動画をYouTubeにアップする際、外部の文字起こしツールや、画像作成ソフトを使い、タイトルや概要文、サムネイル案を作成し、池田さんのチェック後、アップする仕組みを構築、運用している。アプリに相談し、自動化前の作業を伝えると、アプリがつくり上げた。
ほかにも、会計の記帳や、メールの選別の半自動化にも活用する。池田さんは「レストラン運営で言えば、チャットアプリはコンサルタントにとどまるが、エージェントアプリは実際に、タイトル案作成など柔軟な作業を実行する、いわば料理を作るシェフであり、かつ、文字起こしなど単純作業を外部ツールに発注する、いわば店を切り盛りするマネージャーでもある」と表現する。
「働き方の進化」がビジョン
「今やっている『ワークスタイルエボリューション』という会社もそうですが、「働き方が進化する」を1つのビジョン、キーメッセージにして会社を運営しています。クラウドソーシングやリモートワークも、その時々において、自分たちの会社や働いている関係者にとっての『最適解』は何か、と考えてきた結果です」「あるタイミングではクラウドソーシングという形が、会社的にもありがたいし、働く側も自由がある。リモートワークにしても、会社はオフィスの固定費をかけずに全国で優秀な方を採用できる。一方で働く人も、地方で優秀だけど子供がいてパートしかできない、というような方に対して新しい選択肢を提案できる。その時々において、周りにいる人や自分自身のケパビリティ(能力、実行力)も含めてできることを模索してきた結果、今それがAIに変わってきている、という感じです」
会社、個人、それぞれに最適な「器」を
「2013年に起業して、社員が50人くらいまで増えていく中で、人によって『最適な働き方』は色々あると思ったんです。地方在住、病気、育児、色んな事情がある中で、人によって合う『器』がたくさんあったほうがいい。各社が同じような固定的な働き方ではなく、個人に最適なあり方を考え、相性のいい人がその器に入ることでお互いハッピーになれるといいと思ったわけです」「僕個人としても、人生において仕事時間は長いわけですから、働き方が1つの答えだけではなく、色んな可能性がある方が面白い。自分自身、たまたま縁に恵まれて早くからリモートワークをして本を出したり、M&Aを経験したりと可能性が広がってきました。改めてチャレンジしようと思った時、やっぱり一番関心があって面白いのは『働き方』だったんです」
偶然投稿したAI活用が進路に
「AIに取り組んだきっかけは、本当にたまたまでした。元々リモートワークの本を出したけれど、売れなかった。悔しくて『発信力をつけよう』と思って2021年頃にYouTubeを始めたんです。最初は『リモートワーク研究所』という名前で、ZoomやSlackの使い方を発信していました」「ところがネタがなくなって困っていた時に、たまたまChatGPTが出た。専門的にやるつもりは全くなくて、単にネタがないから気軽に撮った、『これは便利だ』という15分ほどの動画が何十万再生と、ものすごい反響があったんです。『今関心がすごく高い』と思って、一気にAI活用に内容を絞っていきました。本が売れなかった時は誰も僕を知らなかったけれど、ChatGPTで一気に幅広い人に知ってもらえた。本当にたまたまのきっかけでした」
個人が作り出せる価値が増大
「今は、個人が企業に負けないような力や価値を出すことが、すごくやりやすくなっていると感じます。クラウドソーシングなら100人、1000人に同時に仕事を依頼できるし、クラウドファンディングでお金も集められる。ITのクラウドを使えば、大企業並みのサービスも作れる。さらに今はAIを使うことで、1人で100人分のようなことが、これまで以上にローコストで対応できるようになっています」「ただ、自律してやっていくには責任を取る力も求められるので、全員がフリーランスになるべきだとは思いません。企業の中にいても、週4日勤務にしたり、業務委託を前提としたメンバーシップを作ったりと、色々な可能性がある。大事なのは、その人やその企業にとって『新しい、より適切な方向に進む』という進化の部分だと思っています」
「幸せ」な働き方を体現し、気付きを発信
「私がやりたいのは、自分自身のワークスタイルを自分に適した形で進化させることです。油断すると売上や利益、YouTubeの再生数といった『みんなが見てる指標』に寄ってしまいますけれど、『それって幸せ?』と問い直します。今の売上で困っていないし、税金を払うためにこれ以上、上げる意味があるのか、という思いもあります」「誰かの物差しではなく、自分の物差しで働き方を作っていき、その考え方を体現すること。その過程での学びや気づきを発信することが、僕の一番やりたいことです。事業としても、今の自分にフィットしていて勝てる領域がAIだと思っているので、そこを突き詰めています」
「チャット」から「エージェント」へ、時代は変わる
「今回お話ししようと思っているのは『AIエージェント時代の働き方』です。今のAIは、少し前のチャットアプリではなく、本当は『エージェントアプリ』と呼ぶべきものです。相談役として使うだけなら個人の生み出す価値は1.2倍くらいですが、例えば店舗を任せるように、オペレーションをAIで回せば、1人で5人分、10人分の仕事ができるようになります。この使い方のギャップに気づいてもらいたいです」「例えるなら、これまでは自転車に乗っていたけれど、もう『自動車』が出ているよ、ということです。自動車に乗れば好きなところに行きやすくなる。乗り方を覚えて、自分の人生の可能性を広げましょう、というのが僕の伝えていることです」「もちろん、自動車に乗っても『行きたいところ』がなければ意味がありません。でも、そこを考えるのは本来AIとは別の、精神論に近い部分。僕の役割としては、まず『自動車(AI)』という有効な手段を教えることで、皆さんの人生の幅を広げるお手伝いができればいいなと思っています」
池田朋弘氏略歴
1984年生まれ。早稲田大学卒業。2013年に独立後、連続起業家として、計8社を創業、4回のM&A(売却)を経験。 起業経験と最新の生成AIに関する知識を強みに、AIのビジネス業務への導入支援、プロダクト開発などを60社以上に実施。 著書『ChatGPT最強の仕事術』は4万部を突破。YouTubeチャンネル「池田朋弘の生成AI活用研究所」他(登録数20万人超)などを通じ日々情報発信する。
近日公開
第14回「解決市場」池田朋弘氏オンライン登壇
【AI最前線】「解決市場」×「AI FUKUOKA 」ハイブリッドセッション
株式会社Workstyle Evolution 代表取締役・池田朋弘氏オンライン出演
AIエージェント時代の企業変革トークライブ
2026年9月1日16:00-18:00
AI FUKUOKAが会場内で参加者を交えて進行する特別ハイブリッド企画として、YOUTUBE登録者数20万人の池田朋弘氏がオンラインでゲスト出演。
AIエージェント時代の企業変革や業務活用について、会場からの質問も交えながら伺います。本企画は外部配信も予定しています。