第14回「解決市場」「Cascade」宮内和貴氏インタビューのファーストビュー

AIを武器に、少人数でもデジタル広告運用は内製できるCascadeが目指す「マーケティングの民主化」

広告費を年間数百万円削減し、売上「毎月1.4〜1.5倍」を実現
AI導入から運用改善まで、広告内製化を一貫して支援する
Cascade株式会社 CEO 宮内和貴氏インタビュー

  
Cascade株式会社は、広告最適化AIエージェント「Cascade(カスケード)」を開発・提供するスタートアップである。本サービスでは、Google・Meta・Yahoo!・TikTok・Amazonなど複数の広告媒体を一つの画面で管理し、予算配分の最適化からクリエイティブ制作、レポート作成までをAIが支援する。さらに同社は「マーケティングの民主化」をキーワードに掲げ、ツールの提供にとどまらず伴走型のデジタルマーケティング支援も手がける。同社は何を目指しているのか。代表取締役CEOの宮内和貴氏に、サービスの特徴から創業の経緯、今後の展望までを聞いた。

複数の広告媒体を、AIがまるごと最適化する「Cascade」

 
Q1 | まず、Cascade株式会社の事業概要を教えてください。

宮内 私たちは「Cascade」という、広告運用を最適化するAIのプラットフォームを提供しています。本サービスは、GoogleやMeta、TikTokなどのデジタル広告を横断で管理し、AIが最適化していくものです。具体的には、限られた予算を効果の高い広告へ割り振る予算最適化のほか、クリエイティブの成果が落ちてきたときにはAIが検知して新しいクリエイティブを生成・配信することも可能です。

また、ターゲットやオーディエンス、プレースメントといった広告出稿に必要となる要素も含め、さまざまなデータを掛け合わせながら、効果的で最適な案をAIが提案します。ツールの提供だけでなく、Cascadeを活用したデジタルマーケティングの伴走支援も行っています。「ツールだけでは少し不安」「これまで代理店にお願いしてきたので、任せられる相手がいると安心」という企業様には、私たちが伴走しながら運用をご支援しています。

Q2 | 広告運用の現場では、企業はどのような課題を抱えているのでしょうか。

宮内 広告代理店との関係性に悩んでいる企業様が非常に多いですね。「代理店が何をやっているのか、中身がよく分からない」という声をよく聞きます。とりあえず広告は配信されていて、週次などでレポートの説明を受けてはいるものの、実際に何が動いているのかが見えず、不安を抱えているケースは多いです。代理店も多くのクライアントを抱えていますから、どうしても予算の小さい案件は優先度が下がりがちです。

また、広告には詳しいものの、モノを売る・ECで販売していくという業界固有のノウハウまでは持っていないことが多く、話が噛み合わないこともあります。一方で、いざインハウス化しようとしても「そもそもデジタル広告の知識がない」「何から始めればいいか分からない」となってしまい、結局は代理店にお願いし続けているというケースが多いと感じています。

オールインワン×AIネイティブ
デジタル広告の知識が少ない方でも「使いやすい」理由

 
Q3 | 「Cascade」では、具体的にどのようなことができるのでしょうか。

宮内 広告運用に必要なものを、すべて網羅しているのが特徴です。運用全体を最適化するための予算管理から広告の出稿・編集、クリエイティブ制作まで、オールインワンで揃っています。よくあるのは「Meta広告だけ分析できます」「Google広告だけ出稿を最適化できます」といった単一媒体向けのツールですが、複数の媒体を横断してデータを見ながら運用・最適化できるものはそもそも少なく、データの統合も大変です。まずこの点を評価いただくことが多いですね。

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Q4 | 特にユーザーからの反響が大きい機能はどれですか。

宮内 クリエイティブの生成です。インハウスで運用したいけれど、そもそもリソースが足りないという企業様が非常に多いんです。例えば広告のデザインをずっと外注してきたけれど、上がってきたデザインの良し悪しを判断する時間も知見も持てない、という方も多い。私たちはクリエイティブ生成にも力を入れており、その「作りやすさ」を評価いただいています。当社CTOはコンピュータービジョンや画像生成の研究論文を発表しているエンジニアなのですが、その画像生成のノウハウも生かして、「広告に特化した画像生成」の機能をプロダクトに組み込んでいます。

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Q5 | 類似のAIツールや、広告媒体が提供するAI機能と比べた強みはどこにあるのでしょうか。

宮内 この領域のサービス自体は昔からありますが、お客様から実際に言われる違いとして、まずUI/UX、つまり製品の使いやすさが昔からあるツールと段違いだと評価いただいています。データの更新頻度をとっても、競合ツールには1日1回更新のものも多いのですが、Cascadeはほぼリアルタイムにデータを取得できる設計にしています。加えて大きいのは、サービスがAIネイティブで作られていることです。AIにデータを読み込ませて、AIから提案が来る、AIに質問ができるといった機能をベースに設計しています。15年、20年前から作られている製品に後からAI機能を足すと、どうしても後付けの形になりがちですが、私たちはもともとAIが主軸なので、随所に違和感なくAIが組み込まれた動線になっています。

もちろん、GoogleやMeta、TikTokなど、各媒体自身もAIを利用した最適化機能を備えています。これらは全世界のデータを集計・学習させた非常に強力なものですが、私たちはそれをあえて上回ろうとは考えていません。狙っているのは、バラバラに存在する広告媒体を横断した「クロスチャネルの最適化」です。例えばGoogleの予算最適化は、どうしても「もっと配信を増やしましょう」という提案になりがちです。Cascadeは、限られた予算の中でGoogle・Meta・TikTokなどにどう配分すれば最も効果が出るか、各媒体のデータを取りながら提案していく。各媒体の配信最適化はそれぞれに生かしつつ、媒体を横断して見たときの最適化を私たちが担う、という役割分担です。
 
 

外部委託費を年間数百万円圧縮した事例も。
自分で数字を見られるから、改善も進む

 
Q6 | 導入企業では、どのような効果が出ていますか。

宮内 1社は、広告代理店にお願いしながら2〜3人のチームで運用されていた化粧品業界の企業様です。Cascadeを導入いただいた結果、代理店手数料とデザイン制作の外注費を、年間で数百万円単位で圧縮できました。浮いた費用はほかの施策や広告投資に回せるので、その分売上も伸びていきます。それまでは、週に1回代理店から送られてくるレポートを眺めて「よく分からない」で終わっていたのが、今は自分たちでCascadeを開けば、日々の運用状況とその結果が目の前ですぐ分かる。ここが大きな違いであり、非常にご満足いただいています。

もう1社、少人数のペット用品販売の企業様のケースでは「代理店は事業への解像度があまり高くない」という不満をお持ちでした。ご自身での運用に切り替えて、手数料が減った分を事業に投資し、売上が毎月1.4倍、1.5倍というペースでどんどん伸びています。

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ブランドマネージャー時代の疑問から生まれた「広告×AI」

 
Q7 | そもそも、なぜ「広告×AI」の領域で起業されたのでしょうか。

宮内 私はずっとマーケティングの領域を歩いてきました。以前は日用消費財メーカーでブランドマネージャーを務めていたのですが、当時からデジタル広告には悩みがありました。代理店にお願いすると何をやっているのかが分からず、支払っているコストに見合う効果が見えにくいと感じていました。

その後、画像生成AIのサービスに携わって、今度は自分でデジタル広告を活用するようになったのですが、そこでは運用の手間を痛感しました。設定作業は多いし、配信されるデータを見ても「何を変えればいいか」が分からないケースがある。しかもデジタル広告はデータが大量にあるのに、活用しきれていない。この辺りを解決して創出できた時間を、事業の戦略や、サービスをより多くの人に知ってもらうための施策を考えることに使えるようにしたい。手作業やデータ分析はもっと自動化して、事業者の皆さんが自信のあるサービスを世の中に広めていくお手伝いがしたい。そう思ってCascadeを作りました。

オフラインデータの活用も視野に、「マーケティングの民主化」を目指す

 
Q8 | 事業を通じて、宮内さんが実現したいことをお聞かせください。

宮内 私たちのミッションは「マーケティングの民主化」です。広告は、ある程度知識のある人がやらないと難しい領域とされてきました。そこを平準化・標準化して、いろいろな人が難しさを感じることなく、かつクオリティ高くマーケティングに取り組める世界を作りたいと思っています。自分たちが自信を持って作った製品やサービスを、適切に世の中に伝えていけるようにしたい。私自身の原体験も含めて、それが会社としてのベースにあります。

Q9 | 今後の展望をお聞かせください。

宮内 現在はデジタル広告周りをメインの領域としていますが、最終的にはオフラインデータの活用にも進んでいきたいと考えています。例えばドラッグストアやスーパーマーケットなど、地方で頑張っていらっしゃる企業様で、オフラインデータの活用に悩んでいるところがあれば、ぜひ一緒に取り組んでいきたいですね。オフラインのデータが生きてくると、デジタル広告も含めて、お客様に届ける方法や確度・効率性が大きく変わってくるはずです。

Q10 | 最後に、広告運用に課題を感じている読者へメッセージをお願いします。

宮内 デジタル広告は自分たちのサービスを色んな人に知ってもらうための良いツールであり、うまく活用することで自社の事業成長に寄与してくれるものになります。そして、今の時代は、AIを活用して業務を効率化しながら、人間が考えるべきことにもっと時間を使えるようにしていくことが、大事であると考えています。今まで取り組みづらかった部分の解消だけではなく、もっと効率良く、成長するために、一緒に頑張っていけたらと思っています。

私たちはツールをただ提供するだけでなく、伴走型でCascadeを使いながら、最終的には自社で運用を回せるようになる「インハウス化」のサポートも行っています。ご興味のある方はぜひ、お気軽にご相談いただけると嬉しいです。

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いまのAIは、広告運用をどこまで任せられるのか。
— 最新のAI活用動向と、売上を伸ばす広告運用AIエージェント「Cascade」実演デモ

第14回「解決市場」
2026年9月2日(水)13:30-14:20 登壇
福岡市中央区天神 アクロス福岡西館7F

  
広告費を年間数百万円削減し、売上「毎月1.4〜1.5倍」を実現
AI導入から運用改善まで、広告内製化を一貫して支援する
Cascade株式会社 代表取締役CEO 宮内和貴氏登壇

生成AIやAIエージェントの進化により、専門知識や多くの人手を必要としてきた広告運用が大きく変わろうとしています。本講演では、トヨタ自動車・楽天グループ・ネスレなどで10年以上にわたりマーケティング実務に携わってきた宮内和貴氏が、広告運用における最新のAI活用動向を解説。さらに、日本語で話しかけるだけで、広告の出稿・改善・レポート作成まで実行する広告運用AIエージェント「Cascade」を、実際の画面を使ってご紹介します。Google・Yahoo!・Meta・TikTokなど10以上の媒体を横断した一元運用、広告クリエイティブの生成、自動最適化、効果測定・分析など、「現在のAIに広告運用をどこまで任せられるのか」を実演を交えてお伝えします。